住まいのお金・税金

不動産取得申告書とは?軽減措置・徴収猶予を申請しないと損するかも【注文住宅】

 

土地を購入すると送付されてくる「不動産取得申告書」とは?

注文住宅建築予定の土地を購入すると、しばらく経ってから管轄の県税事務所から「不動産取得申告書」を提出するよう、申告書と手引きのようなものが郵送されてきます。

これは、不動産を取得した人に課される不動産取得税という県税で、取得時に1回ポッキリですが納める必要のある税金です。注文住宅を建てる予定の方は、このような税金が発生することも覚えておくと良いでしょう。

ちなみに、相続によって不動産を取得した場合は、不動産取得税が課税されず(非課税)、申告書も送付されてきませんので提出不要です。

管轄の県税事務所は、不動産(購入した土地など)の所在地によって管轄する事務所が異なります。送付されてくる封筒に記載の事務所が管轄事務所と考えていればまず間違いありません。

兵庫県で言えば、例えば以下の地域によって管轄事務所が異なっています。

管轄の県税事務所 担当地域(不動産の所在地による)
神戸 神戸市東灘区・灘区・中央区・兵庫区・北区
西神戸 神戸市長田区・須磨区・垂水区・西区
西宮 尼崎市・西宮市・芦屋市
伊丹 伊丹市・宝塚市・川西市・三田市・猪名川町
加古川 明石市・加古川市・高砂市・稲美町・播磨町
加東 西脇市・三木市・小野市・加西市・加東市・多可町
姫路 姫路市・神河町・市川町・福崎町
龍野 相生市・赤穂市・宍粟市・たつの市・太子町・上郡町・佐用町
豊岡 豊岡市・養父市・朝来市・香美市・新温泉町
丹波 篠山市・丹波氏
洲本 洲本市・淡路市・南あわじ市

※兵庫県・県税事務所発行の「不動産取得税のあらまし」(平成30年度版)より引用。直近の情報は各県税事務所ホームページ等でご確認いただくことをオススメします。

恐竜くん
恐竜くん
管轄がそれぞれ分かれているんだね。それにしても、兵庫県ってこんなに市や町があったんだ。。。

僕の場合は3月末頃に土地を購入し、6月中旬に送られてきました。約3ヶ月程度といったところでしょうか。通常、不動産の取得(登記)から、4〜5ヶ月後に申告書(納税通知書)が送付されてくるようです。

不動産取得申告書には、ある程度情報を印字してくれていますので、必要箇所に加筆して押印すればOK。

僕が記入を求められたのは、

  • 氏名のフリガナ
  • マイナンバーの個人番号
  • 押印

程度で、地番などはすべて印字してくれていましたし、必要箇所は丁寧にマーカーを引いてくれていたのでそこまで迷うことなく記入できました。

不安な方は、印鑑と必要書類を持って、何も記入しないまま管轄の県税事務所窓口に行くか、電話で問い合わせをすれば丁寧に教えてくれます(ちなみに、僕も念のため記入はせずに窓口に書類を持参しました)

まだ建物が完成していない場合は、この申告書とあわせて、「不動産取得税徴収猶予申告書」(あとで説明します)を提出すれば、土地の税金を減額してくれるとともに、建物完成まで支払いを猶予してくれます。

ペンギンくん
ペンギンくん
よく分からない書面が来たと思わずに、必ず目を通そうね。

送付されてくる不動産取得申告書には、提出期限も記載されているので、忘れずに期限までに対応するようにしましょう。

もし、提出期限までに間に合わない場合は、早めに管轄の県税事務所の不動産取得税担当課へ連絡して相談しよう。

あとで説明する軽減措置を利用しない場合、不動産所得税は以下のように計算されます。

【宅地取得のケース】

課税標準額(固定資産課税台帳に記載の取得時の価格)×1/2×税率3%

課税標準額は概ね、購入価格の7割程度の金額になっていることが多いです。

つまり、価格2,000万円の宅地を取得したケースでは、

2,000万円×1/2×3%=30万円

の税額が土地の取得時にかかってしまいます。

でもしっかり軽減の申請をすれば、この30万円も0円になる可能性があるよ!

土地購入後、建物建築予定の宅地であれば、軽減措置と徴収猶予がある

数十万円の税金を支払うのは結構負担が大きいですよね。ただでさえ家を建てるのに大金が必要なのに。。そんなことも想定して、しっかりと軽減措置が設けられています。

これが「住宅用土地についての徴収猶予」というもの。必要書類を提出することで、住宅用に使用する土地で、住宅床面積が200㎡以内であれば税金が免除されるのです!

恐竜くん
恐竜くん
これは絶対に提出しないとね!!!

土地購入済、建物未建築の場合は、添付書類を添えて「不動産取得税徴収猶予申告書」を提出しよう

土地の税金を軽減してもらうために必要な書類は基本的に以下のものです(添付書類はすべてコピーでOK)。

  1. 不動産取得税徴収猶予申告書(県税事務所の窓口でも入手できますし、ホームページからダウンロードも可能)
  2. 土地購入後、住宅が新築されることを証明できる書類(確認申請書、建築工事請負契約書など)
  3. 各階平面図
  4. 認印

②〜③の資料を持っていない場合は、ハウスメーカーや工務店の担当者に問い合わせてみましょう。すぐに内容を理解してくれます。

これらの資料をもって県税事務所に提出すれば税金を軽減してくれます。具体的な軽減内容は以下の計算により算定されています。

次のA.とB.のいずれか多い方が税額から減額

A. 45,000円

B. 土地1㎡あたりの価格(土地価格÷土地面積)×住宅床面積の2倍の面積(200㎡を超える場合は200㎡)×3% ※土地価格は宅地取得の場合は1/2を乗じた額

簡単にいえば、200㎡相当分の家であれば、土地に関する不動産取得税が全額免除されます。仮にものすごく高価な家で全額免除されなかったとしても、「不動産取得税徴収猶予申告書」を提出していれば、納税を建物完成まで待ってもらえます。ちなみに、僕も全額免除組でしたので、土地の不動産取得税はかかりませんでした。

ちなみに、「不動産取得税徴収猶予申告書」を提出する場合であっても、送付されてくる「不動産取得申告書」の提出は必要です。

ペンギンくん
ペンギンくん
工務店の人の経験からすれば、ほとんどの人は土地分の不動産所得税はゼロになるケースが多いんだって。

僕のように、土地を買ってから注文住宅を建築するケースの方は、同じようなパターンになると思いますので、忘れずに申告書を提出しましょう。

軽減内容については、2019年時点の情報を元に記載しています。規則や税制変更により内容が一部変更になる場合がありますので、詳細は管轄の県税事務所に問い合わせるようにしてください。

要点まとめ
  • 不動産取得税は、不動産購入時にかかる県税
  • 土地を購入したら不動産取得税の申告書(納税通知書)が送られてくる
  • 宅地(住宅用の土地)の場合は税金が軽減される
  • 200㎡を目安に全額土地の不動産取得税が免除されるケースが多い
  • 「不動産取得申告書」とあわせて「不動産取得税徴収猶予申告書」を提出しよう
  • 家の確認申請書や各階平面時なども忘れずに持参しよう(認印も)
  • 分からない場合は、提出先でもある管轄の県税事務所に問い合わせてみよう